星の運行に関する詩篇

堀 剛

 

突然の閃光が鋭角的に僕の意志へ入り込む
他宙から流れ星が観測の隙間に飛び込み
一瞬燃える
詩の一行さえ赦さぬ時の拒絶
呪文を唱える
あるいは願いごとを唱えるなどという行為を憶い出すにも
極度な時の瞬間に立つ
見る
見られるというかかわりの一瞬が
流星の質量の生み出す時の中にしかなく
唐突な
あまりにも唐突な光り輝きはやがて流れ、消える
その一瞬に、僕は目撃者であるという不思議に包まれる

立ち向かう
流れる星のいとなみ
僕の心で周期を狂わせてみようと思い立つ
一点の輝くミクロ・コスモスへと通過してみたいと願う
それだから
尚 今夜も病んでいる

 

互いに交差するために
互いに意味を示しあうために
互いに存在の哀しみに震えるために
連なって運行する二つの恒星
やがて、ホロスコープのハウスの扉が開かれると
一方はふいに逆行し、他方は密かに立ち止まる
彼方に秩序が存在するのだとすれば
既に僕らの別れが始まっている

時間旅行
一瞬の微笑みを見たいばかりに
あり余る感情を引きずって肉体が既に重さによろめいている
無口な旅の
記憶の中で
いつでも君と出会っていても
言葉と肉体が交差できずに通過し
既に雨が滴っている

星が流れるように、想いも流れる
昨日まで
こうでしか生きていけない思っていたことも
今朝はまた流れて行く

気紛れな僕の中に
隠し持つ小さな傷をいたわりながら
どこかで痛みを忘れ始めることが出来れば
そこはもう旅の終わりなのだ

回帰の前に
旅は見知らぬハウスで収束するのかも知れない。
だから、語ってみよう
少しだけ
見知らぬ君について
聞き得ただけの記憶について
あまりに遠方の距離への眩暈が
なつかしさすら感じさせる
遠い君よ

ひらひらと舞う桜の小径から通り抜け
遠くへと尚、まだ何かを予感するために
視線だけは絶やさず直視しながら
尚また通過しなければならない一瞥の時に属しながら
だが、そこを通り抜けて行くために

 

 


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